〜バリバリ伝説とGSX-R〜
〜バリバリ伝説 第5巻〜
少年マガジン昭和58年第50号より昭和59年第10号まで
レース参加で盛り上がるグンたちから、一人仲間に入れない歩惟。
仲間に入りたいと、バイクの免許を取ろうとするが、母親に見つかりもめてしまう。
一人、夜の校舎に入り込む歩惟だが、そこで、ばったりとグンに合う。
バイクの話になってしまい、自分の話を聞いてもらえないといじけて泣きながら暗闇の階段を駆け下りる歩惟
。。。
歩惟をかばい、足をくじいてしまうグン。。。
歩惟を泣きやますために、歩惟の進めるライダーと会うことになる。それが秀吉だった。
IRTで、四時間耐久のレーサーを探していることを知った秀吉は、皆の前で土下座をしてチーム入りを懇願する。
既に秀吉を入れることに決めていたみゆきは、グンにも賛成をうながす。
グンは、秀吉の無様なかっこと、なにがなんでもというシビアでどん欲な姿勢にショックを受け、自分にないことに苛立つのであった。
みゆきが帰宅した時、父より、ハセミ・レーシング・チームの監督とエースライダーの高根沢を紹介される。
みゆき達が高校生だけのチームで四時間耐久に参加することをきき、なめきった高根沢は、筑波の3時間耐久への参加を誘う。
「1分15秒を切れるくらいにはしますよ」と、子供扱いで、コーチをしようかという高根沢、さらにみゆきにいいかっこをしようという下心まるだしだが
、少しでもサーキットランが必要だと、あえて皆を誘っての参加を約束する。
くじ引きで、グンと比呂がGP、みゆきと秀吉がCBXでの参加となった。
相変わらず、秀吉は、誰もと仲が悪いだが、チーフメカニックの市川は、この2台では戦力不足なので、四時間耐久には、ベストのマシンを作ると気合がはいる。
来年のスズカには、ニューマシンを二台用意するぞ こいつらじゃ役不足だ。。。
やるからには私も本気だ。。。私に作れるベストのマシンを作る!
参加チームの紹介ルール説明などが終わり、ウォーミングアップが始まる。
まずは、サーキット経験のない比呂と秀吉からとなった。
冷静にライン取りや、他のチームの走りを考えながら、レースをじっくり見るためスタートを、みゆきに譲る秀吉。
緊張と、あまりのスピードで、自信を喪失してしまいグンにスタートを頼む比呂。。。
足の怪我が思ったよりひどく集中できないグン。。。
練習走行が終わり、いよいよスタートとなる。。。
一周目が終り、順位は、一位にハヤミ・レーシングの高根沢、同じくハヤミ・レーシングのゼッケン3。
3位にIRTの、みゆき。足が気になって、出遅れてしまい、その後も集中力を欠いた走りのグンは13位。。。
足の捻挫を心配する歩惟は、市川に相談する。市川は82年に引退した元ヤマハワークスライダーの金谷秀夫が始めてレースに出た時のことを例に出して、大切なのは集中力、闘争心だと説明する。
人間の体なんて気力次第でどうにでもなるんだ。足の傷みくらい闘争心で消せる。。。
グンには人並みはずれたすごい集中力がある。それが彼の速さの秘密でもある・・・
だが、今の状態はよくないな。。。ひどく散漫な走り方だ。。。
ペースこそ遅いがかえってあぶない。。。つまらないミスをしやすいんだ。。。
彼の心の問題だ。。。
8秒台前半でラップと、ペースが上がるみゆきはとうとう、2位のハヤミ・レーシングをヘアピンのつっこみでさし、2位に浮上。
サインボードをグンに出そうとする歩惟だが、サインボードを逆に出したり、落して頭にぶつけてしまうドジで結局グンはサインボードを読めず。
笑ってるうちに、追い抜かれてしまうグン、これ以上順位を落す訳にはいかないと、がら空きのインへ突っ込む。
この集中力で、足の痛みはどこかに行ってしまい、グンのペースは、どんどんあがり、3人抜いて10位浮上。7秒82をマークした。
みゆきにぴったりマークされた高根沢は、いくらがんばっても引き離せないため、マシンの調子が悪い、体調も悪い最悪だと思っていたが、サインボードで8秒09と、いいタイムが出ていることを知る。
7秒54 9位、7秒42 8位、7秒32 8位、7秒31 6位、7秒15 5位と、すさまじい勢いで上位にあがるグンの走りは会場でも注目をあびる。
みゆきと、グンの高校生チームの熱い走りに、各ピットも負けておられないと、ペースアップのサインを出し、にわかに盛り上がる各チーム。高校生チームが台風の目になり、がんがん盛り上がっていく。
交代の頃にはトップに追いつくペースだが、自信を無くしている比呂は、重大な責任にプレッシャーに押しつぶされそうになる。
高根沢をピッタリマークし、弱点を見出すみゆき。6秒92と、とうとう6秒台にはいるグン。
太田「I・R・CのTT3で6秒台は、ほとんど不可能なタイムだと思ってたけどな……鉄パイプのフレームだとコーナーでよじれるから限界が低いんですよね……アルミフレームだとよかったんだけどね。。。」
粗削りで、未完成な走りだが、その魅力に、マシンの1台、2台どうなっても惜しくないと思う市川であった。。。
高根沢1位、ピタリと2位にみゆきがつけたまま両チームピットイン。ピット作業の遅れで差は開くが、これでわいの勝ちやと確信した秀吉は、本気を出さず、11秒35というタイムで、各コーナーのベストラインを探す。
4位で交代した比呂は22秒と、順位をどんどん下げていく。その責任感であせる比呂はオーバースピードでヘアピンで突っ込んでしまう。。。
比呂と確信したグンはヘアピンに向かって走り出す。
こけた原因が分らず、動揺する比呂は、とにかくエンジンをかけないととマシンをおこし、エンジンをかける。
なんとかエンジンはかかったころにグンもヘアピンに着く。
マシンは大丈夫だから、交代してくれと頼む比呂に、ピットインもチェックもいらない、走れるんなら走れ!!走れ比呂!!GO AHEAD!!と激を飛ばすグン。
アウト・イン・アウト、スロー・イン・ファースト・アウトの2大原則と、エンジンの音にびびらず、もっとアクセルを開けろそこからが一番パワーの出るところだと、比呂にアドバイスするグン。
走り出した比呂は、アドバイスのおかげと、一度こけて開き直ったのが幸いして、15秒台に入るまで着々とペースを上げる。
11秒32と、どの周もコンマ1秒の誤差もなかった秀吉が、とうとう動きだす
ノッポの奴は、いきなりタイムを出しよった。けどわいはちがうで
ジリジリと追いつめるようにアタックや……必ずペストラップを記録したる
わいの実力をみさらせえっ!!
14秒台が一度出て、15秒台に戻ってしまい壁を感じさせる比呂、本気になった秀吉は8秒16、7秒88、7秒41、7秒22とジリジリとタイムを上げていく。
みゆきに接触し、マシンの調子が悪いこと、スタッフが悪いことをべらべらとしゃべり言訳する高根沢は、チームメイトということでグンを紹介される。
ルックスで負け気にくわない高根沢だが、トップから3周遅れということで気をよくしてピットに戻るが、6秒81という驚異的なタイムを出した秀吉に抜かれたペアライダーを、ボロボロにこき下ろす。。。
タイムがばらついてきた比呂、交代の準備に、ベストラップを抜かれたグンは、
あつくなるなっていうなとは、無理な話だぜ.....と熱く燃える