〜バリバリ伝説とGSX-R〜


〜バリバリ伝説 第7巻〜

少年マガジン昭和59年第21号より昭和59年第31号まで

未熟なライダーを次々と地獄の淵に落としこむ謎の凶悪ライダーの存在を知ってから知らずか、グンと秀吉は悪魔の待ちうける峠へ!!
必殺のガードレール送りを、ガードレール蹴りで、防ぐグン。
普段からギリギリのバトルを繰り返し、お互いのタイミング、クセを知り尽くしている二人の最強のコンビネーションの前に、逆にガードレールに送られてしまうRSのヘルメットの凶悪ライダー
グンと秀吉に対して、マナーの悪い走り屋のために死んでいった妹へのとむらいだと、言い捨て、逃げさってしまう。
このRSヘルメットの男、郷田は、旧友のサトルに、ノッポとチビに夏の耐久で借りを返す事を誓う。



とうとう、鈴鹿サーキットでのイチノセスペシャルGSX-Rのスポーツ走行。
ノービスF-IIIは、ものすごい過密状態で、時間を取るのも大変という中、グンは、訳がわからず、全開走っていて、最後の一周になって我に戻り 、じっくりとコースを観察して帰って来た…
ウォーミングアップ中で軽く流して出した秀吉のタイム2分49秒に、まったく及ばない52秒32に、グンはひどくショックをうける。
「セッティングの出ていない状態で、わずか、1秒2秒の差でもめるよりも、20分という走行時間を、どう有効に使うか考えた方がいい」とたしなめられるグンであったが、金魚のふんのようについてまわる歩惟をみて、攻略法を思いつく。
午後の目標を48秒と決め、地元ライダーにラップタイムを聞きまわり、近いライダーの後をついていくという作戦をとった。
しかし、このライダーは、実は43秒くらいのラップでまわるライダーであり、グンのベストタイムから、9秒も速いライダーであった。

自分のペースを見失わないように、各自目的をもって練習しろと、計測したタイムは教えないと伝える市川。
どこかのコーナーに限定して研究するとか、自分より速いライダーにひっぱってもらうようにと、目的をもった練習方法を説明する。
「ただし、その場合は、相手がはや過ぎると、すごく危ない…1〜2秒の相手にとどめるべきだ…」と



「白ヘルメットのやつについていけば48秒だ」
タイム差が9秒近くあることに気がついていないグンは…
びびるなっ!!同じスピードと同じラインなら…あいつにできて、おれにできないはずはない!!
足回りのセッティングのできていないイチノセスペシャルGSX-Rで、超高速コーナーである130Rにつっこむ…
コーナリングの最中、とうとう耐えきれなくなったGSX-Rのリヤのサスが暴れ始める。
さらに、アクセルをもどしたら、よけいにひどくなってしまった…

  こうなりゃ、暴れるマシンを力でねじふせるっきゃねえっ!!
  コントロールするんだっ!!こんなところで大事なマシンを…
  こわしてたまるかっ!!

しかし、そのままコースアウト!!GSX-Rから振り飛ばされてしまうグン!!
完全に倒れてしまい、すべっていくGSX-Rのステアリングを、しっかとつかんで離さないグン!!
  マ…マシンが!!おれのマシン!!
  げげ、ガードレール!!あれにぶつかったらマシンのダメージがおおきくなる
  だんだん近づいていく・・・・・・ぶつかってたまるか

       ぶわきっ

白ヘルメットのライダーは周回してきたのに、姿が見えないグンを心配するピットをよそにグンは得意のガードレールキックターンの応用編で激突をさけたのであった。



グンの横を通り抜けていく、IRTの3人。

  ノッポや・・・あいつめ130Rでこけよったな
  それにしてもようやるで・・・このおそろしい130Rで・・・・・・
  よくコケるほど攻めこんだ文や

比呂もみいにひっぱってもらいランデブー走行。そんな二人にグンはピースサインで応えた



なんとか、ピットに戻ってきたグン。体を気遣う市川に
「おれは平気だっ それよりマシン!!リヤのサスがおかしい!!」

130Rでのサスのふれ、コースアウトの状況を説明するグン
「わけはないさ リヤをもうすこし、かたくしてやればすぐにできる」
そんな市川の言葉と、結婚したら一生こんな心配をしていかないといけないかなと想う歩惟の「気をつけてね」の言葉に後押しされ、再びグンはコースに出て行く。


ラスト一周で、グンのマークした記録は、2分45秒
午前より7秒もタイムアップと信じられない市川達。
その声もあまりの多さの参加車両の音にかき消されてしまう。

ランデブー走行を続けていた、比呂とみいも、イチノセスペシャルGSX-Rの能力の高さにまずますといった感じ。
コーナーで抜いてったマシンをストレートでバンバン追い抜くスピードに
「得意なコーナーはどこですかって聞かれたら、まよわず『ちょくせんです』っていっちゃうよ}と感激を隠せない比呂・・・・・・



そんな比呂が、みいの着替えをのぞいてしまい、チームスタッフにぼこぼにされているなか
秀吉は、一人、両親の墓前で、両親を亡くした時のことを想い、妹と二人、この町に帰ってくることを誓う。

  必ずこのまちに帰ってくる!!見ていてや、おとうちゃん、おかあちゃん
  関西には有力なプライベートのレーシングチームがある。
  ノービスライダーでも実力と才能さえ認められれば、そういうチームにライダーとして入れる道もあるはずや

  だから勝たねばあかんのや・・・・・負けられへん!!
  わいの すべてをかけてスズカをとる!!

帰路の心配を両親がしたかと思った秀吉は

  心配いらんよ わいはバイクは得意や
  ロードレースっていうのはすごいんや 時速220キロのスピードから たった一本のベストラインをうばいあって・・・
  フルバンクでつっこんでいくなんて芸当は朝メシ前や

  東名高速ごときで事故るような ヤワな乗り方はしてへんよ・・・
と自信たっぷりに微笑む・・・・・

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